れぽてんの雑感

夏川椎菜さんと上田麗奈さんと小原好美さんのオタクで美也・エミリーPです

上田麗奈の色と世界 ~現地で感じたImagination Colors~

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 みなさんおはようございます、こんにちは、こんばんは。れぽてんと申します。3月14日にLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で開催された上田麗奈1st LIVE「Imagination Colors」に行ってきました。今回はその感想を書いていきたいと思います。一言で言うならば、私が神と崇めている夏川椎菜の「プロットポイント」や水瀬いのり2ndツアー武道館公演と同等か、それ以上に心を揺さぶられました。Twitterなどで私の言動をご存じの方は、私がこういった物言いをするということの意味をなんとなく察してくれるのではないかと思っています。

 

 私は、前の週の6、7日には代々木第一体育館でのTrySailのライブに参加していました。TrySailの現地ライブは実に1年8ヵ月ぶりでとても楽しみにしていましたが、正直に言うと、期待感やワクワク感は上田麗奈ライブ前の方が大きかったです。それは、私が久しく「初めて行くライブ」というものを体験していなかったからだと思います。TrySailのライブにはこれまで何度も行っているし、「推し」をそんなに増やしてもこなかったので、「そのアーティストのライブ」自体には行き慣れてしまっていたのです。「初めては何物にも勝るスパイス」とはよく言われていますが、上田麗奈は正真正銘1stライブでしたし、何より上田麗奈の楽曲はこれまで私が聞いてこなかった類の曲調、世界観で、純粋に曲を聞くのが楽しみでした。あの独特の世界観を自分のものとして歌える上田麗奈の世界観に触れられるチャンスに、私はとてもテンションが上がっていました。

 

 以下、演出やセットリストなどのネタバレありで感想を綴っていきます。ライブのアーカイブが21日まで配信されているので、チケットを購入して、視聴されてから読むことを強くおすすめします。それでは、長くなりますがお付き合いいただければ。

 

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上田麗奈の世界

 会場に入って、まずその雰囲気に思わず息を吞んだ。かかっているのはどこか落ち着く音楽。照明は会場を青く染め、深海のような雰囲気を演出する。ステージに掛けられたカーテン越しに見えたステージには階段、植物、蓄音機、椅子といった小道具が。この時点ですでに「上田麗奈の世界観」が表されていた。

 開演まで残り5分ほどになった頃、注意事項のアナウンスが終了すると同時に、これまでの落ち着いた音楽から様子が変わり、少しずつ波の音が激しくなってきた。カーテンには波の模様が。徐々に落ちていく照明。さらに激しさを増す波。そして、世界が青い明るさを取り戻すと同時に始まったのは「海の駅」。ステージのセンターに登場したのは、白い衣装に身を包んだ上田麗奈。マイクスタンドには植物が絡まっている。そして、1番が終わるとともにカーテンが下ろされ、見えたのは大樹と木々の植え込み。ここでようやくステージの全体が明らかになったのだが、思わず「これが上田麗奈か・・・」とうなってしまった。

 その後始まったMCでは「座りながら、寝ちゃってもいいですからね」と観客の笑いを誘いつつ、早々に次の曲へ。移動して、椅子に座って始まった曲は「sleepland」。TVアニメ「メルヘン・メドヘン」のEDだったと記憶しているが、キーアイテムの「本」を手に持ちつつ丁寧に歌い上げ、そのまま「fairy taleの明けに」につなげる。「fairy tale、おとぎ話、なるほどな」と一人で勝手に納得してしまった。本を置き、椅子から立ち上がり、ステージ奥の階段へと小走りで駆け、さらに「誰もわたしを知らない世界へ」「花の雨」「たより」「きみどり」を続けざまに披露。しっとりと、それでいて楽しそうに歌っていた上田麗奈がとても印象に残っている。

 「Falling」でステージから一度捌け、再登場と同時に始まった曲はラジオ「ひみつばこ」のEDでおなじみの「ティーカップ」。くるくる回る上田麗奈はかわいすぎて声を上げそうになるので、あまり軽率に回らないでほしい。衣装がふわってするのがかわいい。そしてここから一気に雰囲気が変わる。「aquarium」「旋律の糸」「毒の手」「車庫の少女」。どこか不気味にも思える雰囲気を持った曲たちで、特に「毒の手」は赤い照明の明滅とともに強く記憶に残っている。これら4曲は上田麗奈という人の普段の様子からはおよそ想像できないような楽曲群で、CDで初めて聞いた時はとても驚いた。しかし「上田麗奈が歌っても違和感がない」と思えるほど、しっかりと曲を自分のものにしていたし、説得力があった。そして今回のライブ、これら4曲はまさに上田麗奈の曲だった。灰色の世界に、たった一人たたずむ上田麗奈は、ただ一言、圧巻だった。

 「Another」をはさみ、「いつか、また。」「アイオライト」「あまい夢」「ワタシ*ドリ」と、ここからようやく普段の上田麗奈から想像できるような楽曲たちが続く。アイオライトでは「色づけ世界 こぼれ出した光は煌めきだした カラフルに」で白と青の照明が会場を照らし、木が虹色に染められたりと、歌詞とリンクしたステージングも見せてくれる。「あまい夢」では走って階段に向かううえしゃまがかわいかったし、サビで会場(と配信)に向かって手を振るうえしゃまが超絶かわいかった(急激な語彙力の低下)。

 そしてここでようやく二度目のMC。まさかノンストップで来るとは。「一気に駆け抜けてきました」、「sleeplandから始まった夢の世界はいかがでしたか」などなど、2~18曲目までが一つの世界観であることをうかがわせるMCから、ステージは終盤戦に。「マニエールに夢を」「あなたの好きなメロディ」。あなたの好きなメロディでは2番終わりの間奏からステージに桜の紙吹雪が降り注ぎ、木が桜色に色づく演出が。そんな中で歌う上田麗奈は、月並みな表現しかできないが、とてもきれいだった。最後に深いお辞儀をして、ライブ本編は幕を閉じた。

 

 これまで「世界観を壊してはいけない」と拍手を一切してこなかった(あるいはできなかった)我々だったが、終わった瞬間、堰を切ったように拍手の音を響かせる。この拍手の大きさがライブのすべてを物語っていたように私は思う。そして、鳴り止まないアンコールの手拍子に応えてかかったイントロは「リテラチュア」(ここで思わず「それ!!!!」のクラップをしてしまったのは内緒。でも散々我慢してきたし、もうライブ本編終わってるしいいでしょ)。そして「Campanula」を歌い終わり、最後のMCへ。「デビュー当時はライブをすることになるなんてほんと思ってなくて」、「一人じゃ無理だった」と思いを吐露した後、「今回のライブは泣かないって決めたのっ!」なんてあえて言ってしまうのは実に上田麗奈らしく、なんだか微笑ましかった。「チーム上田麗奈に支えてもらってここまで来られた」との思いを涙ぐみながらもしっかり言い切り、「みなさんもなんですよ? みんな含めてチーム上田麗奈なんです」と話した彼女(泣いた)が最後に選んだのは「Walk on your side」。この曲で初めて観客にクラップを促したというのが、このライブの在り方を象徴しているように思えた。そして最後に深くお辞儀をして、配信先のファンにも笑顔を忘れず、鳴り止まない拍手を背に彼女はステージから静かに去っていった。

 

 正直言うと、全曲ライブの期待はしていたものの、披露されるのは15曲くらいかなと勝手に思っていた。ラジオで「たくさん歌うのって大変なんですね」と口にしていたのを聞いていたし、だからこそまさかここまでのものを見せてくれるなんて夢にも思わなかった。約2時間、ひたすらに圧倒された。スタンディングもペンライトも、拍手すら必要ない。むしろあっても邪魔にしかならなかったと思う。ライブというか、演劇や舞台というか、ひとつの「芸術作品」を見ていたような、そんな気持ちになった。私は彼女のファンになってから1年に満たない、ひみつばこから入ったにわかファンだが、それでもかなり刺さった。心を揺さぶられまくった。私はこの1stライブがアーティスト・上田麗奈の完成形と言っても過言ではなかったように思っている。ただ、どうやら夏にニューアルバムを発売するらしい。まだまだこの先、上田麗奈がどんな世界を見せてくれるのか、楽しみで仕方がない。

 

・余談と戯れ言 ~夏川椎菜のライブが刺さった奴は見ろ~

 曲の世界観をステージで表す。セットリストにその人自身のストーリーを反映させる。今回の上田麗奈のライブを見ていて、私が真っ先に思い出したのは夏川椎菜の1stソロライブツアー「プロットポイント」でした。さて、ここからはライブそれ自体の感想ではなく、ライブを見て私が思ったことを書かせていただきます。夏川椎菜のライブと上田麗奈のライブ、並列して語らせてください。

 

 夏川椎菜のライブは言うなれば「劇」。所々に挟み込まれるパンダとヒヨコツインズの掛け合いや、本編最後のパレイド→ファーストプロットの流れに代表されるように、あれは夏川椎菜という声優アーティストの、同じユニットで輝きを放つ2人に挟まれ、もがきあがいてきた“普通の子”の軌跡だった。舞台や演出に関しては彼女が案を出したそうだし、だからこそ強く「夏川椎菜」が表されていたステージだった。彼女がどれだけの努力をしてきたかをずっと見てきたファンからすれば、あのライブで心を動かされないことはないと言っていい。断言できる。それくらい彼女自身を反映したライブだった。笑顔で「ファーストプロット」を歌う彼女の姿を見て泣かないファンはいない。

 

 一方、上田麗奈のライブは絵画というか、「芸術作品」だったように私は思う。「劇」と言えるほどストーリー性が前面に出されていたわけでもなく、「舞台」と言うには上田麗奈その人自身が反映され過ぎていたような。正直上手く言えない。ただ「海の駅」から始まり「あなたの好きなメロディ」で幕を閉じた本編は、ただただ美しい世界だった。拍手はもちろん、呼吸すら邪魔に感じるほど、「上田麗奈という人が見せる色や世界を、ただ見ていただけ、感じていただけ」だったのだ。

 私はライブを「アーティストと観客でつくるもの、一緒に盛り上がるもの」と思っていたし、これまで参加してきたライブはすべてそうだった。ペンライトを振る。クラップをする。コールをする。「推し」の名前を全力で叫ぶ。「推し」の一挙一動に身もだえる。私にとってはそれがライブという場だった。だからこそ今回、ただステージを見せられただけ(あえてこう表現します)のライブにこれほどまでに圧倒され、心を動かされ、目を離せなくなったことが自分にとっては新しい発見だった。コールがなくてもこれほど楽しめるのだと、コロナ禍のライブとはこれだと、そう思ったりもしたのだ。声も満足に出せず、ライブを、現地を100%楽しめない状態が続いていた私には、今回の上田麗奈のライブがあまりにも深く刺さった。

 

 とにもかくにも、2人とも世界観重視のステージングとライブパフォーマンスをするタイプなのだ。だから、ただ一つ言えることは、夏川椎菜の「プロットポイント」が刺さった人間には確実に、上田麗奈の「Imagination Colors」は刺さる。

 

・最後に

 ライブのアーカイブ配信は21日(日)まで。絶対に心を揺さぶられます。刺さります。まだまだ遅くありません。本当に、本当に一人でも多くの人に見てほしい。心からそう思っています。