れぽてんの雑感

夏川椎菜さんと上田麗奈さんと小原好美さんのオタクで美也・エミリーPです

サマポケ備忘録⑧ ~ALKA・Pocket~

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 みなさんこんにちは、れぽてんです。iOS版「Summer Pockets(サマーポケッツ、以下サマポケ)」の感想、第8回目です。1~7回目はこちら。

 

サマポケ備忘録① ~紬ルート~ - れぽてんの雑感 (hatenablog.jp)

サマポケ備忘録② ~鴎ルート~ - れぽてんの雑感 (hatenablog.jp)

サマポケ備忘録③ ~静久ルート~ - れぽてんの雑感 (hatenablog.jp)

サマポケ備忘録④ ~のみきルート~ - れぽてんの雑感 (hatenablog.jp)

サマポケ備忘録⑤ ~蒼ルート~ - れぽてんの雑感 (hatenablog.jp)

サマポケ備忘録⑥ ~しろはルート~ - れぽてんの雑感 (hatenablog.jp)

サマポケ備忘録⑦ ~識ルート~ - れぽてんの雑感 (hatenablog.jp)

 

今回はサマポケでは最終ルートとなるALKAとPocketについてです。死ぬほど泣いてしまいプレイ中、目は痛いわ頭は重いわ体はしびれるわで大変でした。いやもうほんと、とにかく涙が止まらなかった。最後の方はずっと泣いてましたね。Keyの作品で好きなのがこういうところで、紬・鴎・静久・のみき・蒼・しろは・識ルートのクリアのためにかけた時間があってこそ、グランドエンディングルートが輝く。これまでのルートで語られていたこと、散りばめられていた伏線がすべてつながっていく感覚こそ、Key作品の真骨頂と思っています。サマポケでもそれがいかんなく発揮されていました。

 

 これまで個別ルートを進めていて、さてALKAはどこから始まるのかと思ったら、羽依里が島に来るところからのスタートでしたね。これまでの共通ルート、そしてしろはルートを下地にしつつ、その中でもかなりの部分が違った展開になっていました。うみちゃんがどうにも幼かったり、どこへ行くにも付いてきたり、羽依里とうみちゃんがラジオ体操に行ったり。そして楽しい夏休みをうみちゃんに過ごさせるため、お母さん役をヒロインの誰かにお願いする過程で、しろはと仲を深めていきます。「この夏は逃げたくない」と言ったうみちゃんの決意が今なら分かります。

 

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お母さん選択でこれはおかしいだろ

 

うみちゃんのやりたいことを叶えるため「魔法の絵日記」に書かれたことを実行していく2人。ケツァルコアトルのまね、折り紙での紙飛行機競争、鴎に協力してもらっての絵本作り、虫捕り、かくれんぼ、スライダーに流れるプール、紬を講師にしての歌の時間・・・(一つひとつのエピソードで小学生の時を思い出して切なくなりました)。そしてこれまでのヒロインルートでもそうだったように、8月15日に決定的な事実が明かされます。未来から来たうみは、会ったことのないお母さん(しろは)との日々を過ごすため、同じ夏を繰り返していた(ここリトバス)。そしてどうやらその時の記憶は羽依里にもおぼろげに残るようです(のみきルートで、近い人間の記憶への干渉とか話がありましたね)。周回を進めるたびにうみちゃんが幼くなっていたのも伏線だったとは思いませんでした。あとここで流れている「Twinkle of Alcor」という曲がとても好きです。

それにしてもしろはルートよりしろはルートしてる・・・これだ・・・私が求めていたイチャイチャはこれだ・・・。

 

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ここのテキストがなぜだかとても響きました

 

 「未来を予知する力」をめぐるお互いの気持ちや「夏鳥の儀」を乗り越え、さらに仲を深めていく羽依里としろは。それと同時にだんだんと幼くなっていくうみちゃん。そしてうみちゃんの存在自体を忘れていく周りの親友たち(ここCLANNADの風子ルート)。「この夏が最後かもしれない」というのはつまり、そういうことだったんですよね。後に出てきますが、力には代償が伴う・・・。それにしたって写真という記録媒体にも残らないとは恐ろしい。

 

 ついに羽依里としろはでさえうみちゃんを忘れ、それでもただ「何か大切な存在だった」という想いを頼りに、2人で花火を見に向かいます。いやもうここからの展開よ・・・。本当に涙が止まらなくてどうしようもなかったです。

 

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この先訪れる夏も、秋も冬も春も、ずっとうみと一緒にいたいと願う2人。それが叶わないと知っていて、この夏休みがかけがえのないものだったと伝えるうみ。そしてこのうみが感じているかけがえのなさを、我々プレイヤーも持っています。それはこれまでのプレイの記憶だけでなく、自分が子どもの頃に過ごした友達との夏休みとか、家族との旅行とか、そういうものです。だからこそきっと、この場面で泣けるのだと思います。

 

 そしてここから先紡がれるのは、自分に一生の思い出をくれた人を救う旅に出た蝶の話。途中で区切るというのは考えられず、そのままPocketに突入しました。サマポケプレイ開始当初、まさかここまでチャーハンが重要な役割を担うことになるなんて思わなかったよ私は。夜にプレイすることが多かったので、何回か飯テロを食らいました。今度冷や飯でチャーハンを作ってみたいと思います。

 

 さまざまな蝶の記憶の助けを借りて、過去に飛んだ「七海」(そういえば識は未来に飛んでましたね)は、しろはに「心を過去に戻す力」を手に入れさせないため奮闘します。悲しいことから逃げるためにその力を発現させてしまうならば、それを乗り越えられるほどの楽しい思い出をつくってあげればいい。過去ではなく、未来にこそ楽しいことが待っていると教えてあげればいい。

 

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 そして、二度目の別れが訪れます。

 

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ここで「アルカテイル -recall-」はダメだって・・・

 

お互いがお互いをどうしようもなく想い合っているのに、一緒にいたいと願っているのに、なんでなんだろうな・・・。

 

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アルカテイルのアレンジもう1つあるとか知らんが・・・

 

 そして、羽未のいない夏が来ます。羽依里は蔵の整理をする。夜のプールには誰もいない。特別な力なんてないから、誰も傷ついていない、そんな鳥白島の夏。

 

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それでも、2人は出会って、恋をして、一緒に季節を過ごして、そして―――

 

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歩き続ける事でしか届かないものがあるよ

今も温かな手のぬくもりを探し続けている

いくつもの優しさを繋いでも辿り着けないから

今も何度でもボクは夏の面影を

振り返るよ

 

(「Summer Pockets」テーマソング「アルカテイル」) 

 

 はい、というわけでサマポケ完です! 最高のゲームでした。泣きゲーというジャンルを築き上げたKeyはやはり伊達ではなかった・・・。各ヒロインの個別ルートのレベルの高さが、最終ルートの出来をさらに際立たせていますね。ここまで泣かされるとは正直思っていなかった。泣きに期待している人はもちろん、この作品の基盤とも言える「夏」を感じたい人、思い出したい人全員に勧めたい。傑作でした。

 

 考察すべき点はまだまだありますし、iOS版だったので天善と卓球してないし、うみちゃんルートクリアしてないし(一番問題)、もう少しだけサマポケを続けます。時世的に今は難しいかもしれませんが、舞台となった直島(なおしま)にもいつか行けたらうれしいです。それでは、次回のうみちゃんルート感想でお会いしましょう。