それは私にとって初めての経験だった。
忘れもしない、2024年11月8日18時10分。一つの「告知」が、アイドルマスター公式から投稿された。タイトル名は「『THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 11thLIVE』開催延期についてのご案内」。
次の日から2日間、名古屋でミリオンライブのライブが開催される。だから、当然すでに移動手段は確保していたし、ホテルも取っていた。どこで何をするかも、誰と会うかも決めていた。荷造りだって済ませていた。何より、「コンテンツの行く先を決める」と言っても過言ではなかっただろう、1年間の10thライブツアーを経て、ミリオンが次に打ち出した「主演公演制」というチャレンジの始まりを見届けることを、とても楽しみにしていた。
あとは行くだけ。行くだけだったはずなのだ。
* * *
「公演の延期なんていう大きすぎるお知らせをこんなギリギリにするはずがない」。あまりにも、あまりにも直前すぎて、信じられなかった。でも、それはどうやら本当らしかった。
仕事を終わらせて、家までの道中でたくさんのことを考えた。
どうやら、信じられないけれど本当にライブはないらしい。
気持ちを切り替えて前向きなポストをしている人がたくさんいる。
どうすればいいんだろう。
分からない。
辛い。
どれだけも楽しみにしていたことか。
しんどい。
私にとっては10thライブツアーでつなげることができた縁を深める機会でもあったんだ。
何も分からない。
切り替えて前を向いてる人、すごいな。
名古屋に行って何するの?
お金かかるね。ライブないんだよ。行くの?
本当にライブないんだ。
あの人にあれを渡して、あの人とはこの話がしたかったな。
きっと夢みたいに楽しいはずだった3日間が、ないんだ。
考えながら、このまま名古屋行きをキャンセルして、土日一人で家にいても「辛いしんどい立ち直れない」とSNSに呪詛を吐くだけのマシンと化すだろうなと思った。何より、親しくさせていただいている人たちが、同じようにショックを受けていて、数時間程度で立ち直るなんてことはできていなくて、「私だけじゃないんだ」と思えた。マイナス方向だったけれど、私はそれにとても救われた。
一人でコンテンツを追っていたら、この出来事を契機にきっと私はミリオンから離れていたと思う。最終的に私は、当初の旅程からほぼ変えずに名古屋に行くことを決めた。
一緒に行く予定だった友人らと緊急の通話を開いた。「この状況でそもそも行きたいという人は何人いるのか」「ホテルのキャンセルは利くのか」「キャンセル料はかかるのか?」などなどを、とにかく急いで確認し、修正し、決めていった。
それとともに、本当に少しずつだけれど前向きな気持ちにもなっていった。「名古屋満喫するか……」と思えるようになってきた(辛かったけれど)。しかも、当初計画していた「パフェの会」参加者に連絡を回したところ、なんと全員名古屋に行くらしいことも判明。これも私にとっては大きな救いとなった。
3日間、名古屋を楽しみ切った。でらますのコラボ先を中心に、たくさん遊んだ。一番うれしかったのは、会いたかった人ほぼ全員と会うことができたことだ。不思議なことに、みんな名古屋にいたのだ。弱い私は、一人だったらふさぎ込むことしかできなかった。「縁をつなぐ」という努力を怠らずに生きてきたご褒美だったのかもしれない。
* * *
「『THE IDOLM@STER MILLION LIVE! 11thLIVE』開催延期についてのご案内」は、私にとってトラウマになった。きっと担当プロデューサーほどじゃない。比べることも烏滸がましいと思う。けれど私は、この出来事で確かに傷ついたのだ。
その後、ちょくちょくこの投稿をネタのように引き合いに出すポストを見かけた。普通に人じゃないと思った。「ああ、真剣なロコP・百合子Pの知り合いがいないんだな……かわいそうに……」と、絶対に目に入れないようにした。ロコPと百合子Pのことを思えば、そんなことできるはずはない。もし自分の担当アイドルの主演公演で同じことがあったらと、考えないのだろうか。別に「切り替えられる」という人は、それでいい。私と一生交わることのない道を歩んでいただければと思う。決して仲良くはなれないと思うので、交わったところでお互い時間の無駄だろう。
* * *
そんな、多分きっと多くの人に「何かしら」を残した11thライブの延期。そんなライブがようやく開催される。あと3週間を切っている。
少しでも公演に花を添えられればと、ロコ・百合子の応援企画にそれぞれ参加した。きっと順調に準備が進んでいることと思う。もう大詰めかな。担当アイドルに真剣な人の企画であることは知っているから、現地でその熱を感じることができるのをとても楽しみにしている。
エンカの約束もした。地方公演の楽しみは、首都圏開催だと来られない地方住みの友人にあいさつができることだ。久しぶりに会える人もたくさんいる。会えた人には私の地元の銘菓を渡そうと思っているから、どうかもらってほしい。あとサインも用意しておいてね。ねだるから。
小倉で何をするかもだいたい決めた。門司港や下関にも足を伸ばすつもりだ。私的にはAct3のリベンジ。当時は本当に仕事の環境が酷く、何一つ楽しむことができなかった。どうか晴れてくれますようにと、今から祈っておこう。
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前回更新の記事で、私は「主演公演は、その主演アイドルの担当プロデューサーのものだ」と書いた。
今回は、ロコと百合子の担当プロデューサーのものだ。思いっきり楽しんでほしい。めいっぱい浮かれてほしい。笑ってほしい。泣いてほしい。1年4か月待ち続けた気持ちを全部ぶつけてほしい。
その日を指折り数えて待とう。ああ、楽しみだ。もう少し!

肝心のパフェの写真で良いやつがなかった
