れぽてんの雑感

夏川椎菜さんと上田麗奈さんと小原好美さんのオタクで美也・エミリーPです

天海春香について

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 みなさんこんにちは、れぽてんです。以前こんな記事を書きました。

wafumiru.hatenablog.jp

タイトル通り「天海春香がわからない」という私の気持ちをぶつけたものです。この記事を書いてから約1週間、ついにアニマス全25話を完走しました。そこで改めて「アニマスで私が見た天海春香」をまとめたいと思います。私が現状書ける、私の抱いた天海春香観です。少し長くなりますが、どうかお付き合いくだされば幸いです。

 

天海春香はなぜアイドルをやっているのか

 春香さんとはどんな子なのかを知るためにアニマスを見始めたわけなんですが、すぐこの疑問に行き当たりました。アニマス、思っていた以上に春香さんの影が薄い。22話までで春香さんについて得られた情報がほとんどなかった。彼女にスポットライトが当たらない。たまに何かを言ったかと思えば「みんな頑張ろう!」といった旨の発言で周りを励ますばかり、サポートするばかりで、彼女自身の心の内が全く見えてきませんでした。でも、それが光を放ったのが24話、病室での千早のセリフです。

 

ある家族の話です。いつも一緒で、仲が良くて、誰かが転ぶとすぐ手を伸ばして助け合う。そんな家族がいつの間にか離れ離れになっていて・・・。転んだ時、いつも真っ先に手を伸ばしてくれた人が一人で悩んでしまっているのに、それを助けられないほど、みんなが遠く離れ離れに・・・。

 

このセリフを聞いた瞬間、私の中の今までの春香さん像がひっくり返りました。「転んだ時、いつも真っ先に手を伸ばしてくれた人」という千早の言葉が言い表してくれています。影が薄かったんじゃない。サポート役に回っていたのでもない。天海春香という子は、そういう子なんだと。22話までずっと見てきた彼女こそが彼女だったのだと。このシーン、鳥肌が立ちました。

 

ねえ、春香はこの仕事・・・どうしてアイドルになろうと思ったの。

 

憧れだったから。小さい頃からずっと。眩しいステージにいっぱいの声援。それがね、会場全体を一つにして、もっと大きな熱気になる感じ。

 

 春香さんは11話で千早にそう語っています。憧れ。夢。1話でも、彼女はそう言っています。私はこれを聞いた時、正直なところ全くピンと来ていませんでした。理由が普通すぎる。絶対他に何かある。そう思ったのです。この春香さんの言葉を、私は素直に受け入れることができませんでした。

 

そして24話。偶然出会った園児たちに春香さんは765プロの仲間たちを見ます。そんな中、一人の子を自分に重ねます。

 

うん! 春香ね、おっきくなったらアイドルになりたい! アイドルになって、それでみんなで楽しくおうたうたうの!

 

このセリフ、そしてここからの「まっすぐ」で涙が止まりませんでした。春香さんがアイドルをやっていたのは他でもない、最初から言っていた通り「夢だったから」、「アイドルをやりたいから」なんですね・・・。そのことがようやくこの時、心の中にストンと落ちてきました。

 

・「みんなで一緒に」という春香さんの願い

 23、24話で春香さんはしきりに「みんなで揃ってライブの練習がしたい」と言っていました。私は最初、というか23話まで、なんでそんなに春香さんがライブを重視しているのかわからなかったのですが、その解がまさに24話の美希のセリフにありました。

 

迷子になっちゃいそうだったから。美希ね、アイドルのお仕事楽しいの。キラキラでわくわくできるから。だから前ばっかり見て、どんどん走ってって・・・でも気づいたの。このまま進んじゃったら迷子になっちゃうかもって。どこへでも行けるのは「ただいま」って帰れる場所があって、そこで笑ってくれる人がいるからかなって。そこにいる人が笑ってくれるからかなって。

 

春香さんは決してライブの成功だけを思って発言していたわけじゃなかった。彼女が大切に思っていたのは「みんなで」という部分。どんどん忙しくなっていって、それぞれが離れ離れになっていた現状を誰よりも理解していたからこその言葉だったんですね。

 

 また23話の中で、どんなに忙しくても事務所に顔を出す春香さんを描いたシーンがあります。

 

小鳥さん、今日私以外に誰か事務所に来ました?

 

春香ちゃんだけよ。まあ、これだけスケジュールが詰まってると、なかなかね。

 

・・・ですよね。

 

この後、春香さんがお茶を飲んで一瞬静寂が訪れるカットがあるんですが、そこがヤバイ。このカットがあるのとないのとでは我々が感じる春香さんの心の内が決定的に違います。天才。

この後すぐプロデューサーが来て、春香さんは「みんなで一緒に」という思いを新たにするわけなんですが、このあたりが23話ラストを受けての24話序盤の春香さんの動揺につながるんですよね。プロデューサーはあの時点の春香さんにとって唯一価値観を共有できる存在であり、支えだったから。そのプロデューサーを表舞台から突き落とす脚本、マジで鬼だと思います。しかもそれがあったからこそミュージカルの主役を春香さんが射止めるという展開。鬼畜の所業です。どこまで春香さんを追い詰める気だ。当時リアルタイムで見ていた春香Pさん、そうでなくともアニマスを見た全春香Pさんの胸中、お察しします。

 しかし、この鬼のような展開が24話のカタルシスにつながるのも事実。春香さん自身が「なぜ私はアイドルをやっているのか」という自分の原点の気持ちに気づく展開も(ここで冬馬くんの手助けが入るの、グッドです)、周りの他のアイドルの子たちが何を大切にして、どこを「帰る場所」にして活動するべきなのかを自覚するシーンも、アイドルたちの心の揺れ動きと決意がこれでもかと伝わってきました(このあたり、今書いていて「もしかしたらムビマスにつながるのか・・・?」となったので、近いうちにムビマスを見ようと思います)。

 

・最後に

 13話時点、いや、22話時点でさえ抱いていた「天海春香がわからない」という私の感覚は「もしかしたら当然のものだったのでは」と、今振り返って思います。なぜなら彼女はそういう子だから。なんというか「アイドルが夢だったから私はアイドルをやっている」という、ありきたりとも言える、普通すぎる彼女の気持ちを視聴者の心に自然に落とすためには、どうしてもあれだけの時間と展開が必要だったのだと思います。

 このブログを書いている最中にも色々と春香さんについてのことが浮かんできます。彼女については考えなくてはならないことがきっとまだ山ほどある。天海春香、本当に難しい。そしてまた、そこに彼女の魅力が詰まっているような気がしています。

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25話ラスト、財布の伏線回収シーン。ここの春香さん死ぬほどかわいい