れぽてんの雑感

夏川椎菜さんと上田麗奈さんと小原好美さんのオタクで美也・エミリーPです

天海春香学会誌と私 中編

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 みなさんこんにちは、れぽてんです。今回は、前回の『天海春香学会誌と私 前編』の続きで、中編となります。

 

wafumiru.hatenablog.jp

 

中編では、私が寄稿したテーマの選定理由や「ここにはこういう思いを込めたんです」といった裏話的なもの、そして全体を通して、学会運営2氏とのインタビューでは上手く答えられなかった部分の補足とできたらと思っています。今回もお時間のある時にでも、のんびり読んでいただけたら幸いです。

 

④Cleaskyと「笑って!」 ~なぜこのテーマにしたか~

 寄稿を決めたのが昨年の7月ごろだったのですが、その段階でどのテーマで書こうか、いくつか候補は浮かんでいました。

 

天海春香という普通、アイドルという特別

・ムビマスにおける「私は、天海春香だから」の真意

・実は似ているところが多い宮尾美也天海春香

・Cleaskyカバーから考える「笑って!」の再解釈

 

 1つ目は、Vol.1の時点で題材として何人かの方が取り上げていましたが、私が考えているものを少し書きます。天海春香といえば「普通の女の子」と説明されることが多いですが、一方でアイドルという職業は「特別」です。「特別な人」にしかなれないものです。「普通の女の子」である春香さんが「特別」であるアイドルをやっている、あるいはやれている。そして人気を得ている。逆から考えれば、アイドルという「特別」を提示されてなお、我々は天海春香に「普通」を感じている。このギャップを埋めるもの、説明できるものが書けたらという思いでした。なお、あまりにも難解だったので断念。

 2つ目は、ムビマスを見た時に真っ先に抱いた疑問でした。普通に考えれば「私は、私だから」と言うと思いませんか? 私が導き出した結論は「春香さんは『天海春香』という存在を、自身から切り離して考えている」というものです。究極の客観視と言ってもいいかもしれません。もちろん、天海春香天海春香です。しかし、このセリフから、そしてムビマスの一連の展開から、春香さんの理想の中に「765プロのリーダーとしてのあるべき天海春香」というものが存在しているのではないかと私は考えています。そして、若干飛躍しますが、ここから「理想の『天海春香』にたどり着けず、振り回され絶望する春香さん」というものも見えてくるのではないかと思っています。しかし、この結論に至らせるまでの積み上げをできる気がしなかったので、見送りました。

 3つ目は、私が美也Pであるという一点をアドバンテージに、誰とも被らなさそうなものを考えた時に思いついたテーマです。ちなみに「春香さんと美也の共通点を無理やり見つけて文章にしても、私が納得できない」という理由で却下しました。この「春香さんと美也の共通点」については、後編で書く予定の天海春香学会誌作品感想でまた取り上げられればと思っています。

 4つ目が、今回書くことを決めたものです。浮かんだ4つのテーマの中で一番、他の誰も書かなさそうなもの、美也Pである私だからこそ書けるもの、何より私が書きたいと思ったものだったというのが理由です。・・・正直に言うと、“あるお一方”には絶対に刺さるという確信が持てたというかなり打算的な理由もあったりします笑。さすがに寄稿した文章が誰の心にも残らなかったら悲しいので。もちろん、読んだ人全員を唸らせるつもりで書く気概でしたし、その自信もある程度はありましたが、おそらく春香さんについては一文字たりとも書かないということになるであろう文章がどう思われるのか、とても怖かったというのがあるので、心の支えになりました。この場を借りて感謝を伝えさせていただきます。

 

⑤寄稿文に込めた思い、ついでに補足

 この文章で伝えたかったもの、書きたかったことはおおまかに分けて2つありました。Cleaskyに「笑って!」が充てられた理由を誰もが納得できるものとして「正解」を叩きつけること、6thのASカバーが私にとってASを知ろうと思う入り口になったので、カバーを100%肯定しなくてもいいから、そういう人もいるんだということを知ってほしかったということ、です。前者に関しては、私はこの寄稿した文章が「答え」だと思っていますし、これ以外の解釈があるなら「教えてほしい」というかなり上から目線の気持ちがこもっています笑。逆に言えば、それほどの説得力を持たせられた、説得力を持たせるに足る事実の積み上げをした、できたという自負があります。ただ、だからといって、違う角度からのアプローチや解釈を受け入れないというわけではありません。そこは柔軟に考えたい心積もりです。一方、後者に関してですが、これは寄稿文の「4. おわりに」で書いたことが全てなので、改めて言うことはありません。一側面だけを見て今回のカバーを100%否定ということは、どうかしないでほしいという思いです。

 

 それと、文章中に自分でも「これ読んでる人何言ってるか分からんな」と思いつつ、かといってそれ以上どうしようもなくてそのまま提出した箇所があるので、そこの補足をできればと思います(※ここは完全に私の文章を読んでいる人向けのところなので、スルーしていただいても問題ありません)

 歌詞考察の3パート目、「突然の着信『昨日見かけたよ!』って これもまた運命だね? 勇気をくれた」の部分です。「突然の着信~~~」の箇所は、Cleaskyに当てはめるなら、「着信」を「手紙」に置き換えるのがまず無難でしょう。次に「昨日見かけたよ」というのをどうするか。「昨日見かけたよ」というのは、内容的にはかなりポジティブで「『離れた相手とのつながりを改めて求めている』と取ることができる」と私は考えました。まあ、そもそも「昨日見かける」というのがCleaskyの2人に関しては不可能という前提はありましたが。そこで、私の考察箇所を改めて分かりやすく書き直すならこうです。「突然の美也からの手紙。内容は『エレナさんにまた会いたいです』といったものだった」。

 さて、「これもまた運命だね~~~」です。正直、ここをエレナが歌ってくれていたらもう少しスムーズな解釈ができたかもしれません。ただ字面通りに捉えればいいのですから。しかし、ここを歌っているのは美也です。これはもう「ごめんなさい無理やりな解釈ですけどこれが限界だったんです」と言うしかありません。とにかく解説します。この箇所を「明日会いにゆこうかな」のアンサーだと書いたのは、前述の「突然の着信~~~」の自身の解釈を受けてのものです。明日会いにゆこう「かな」は内々の気持ちで、かなりふわふわしたものですが、出した手紙にはおそらく「会いたいです」と断定した気持ちを綴ったと思うのです。この気持ちの移り変わりを「運命」というワードに当てはめました。「勇気をくれた」は「手紙を出したという事実それ自体、あるいは手紙を書く過程で自分の気持ちを文字にしていくという作業、そういった行動が背中を押してくれた」という風に解釈をしました。

 ・・・補足になっていれば幸いです。

 

⑥そして反響の大きさにビビる

 ④でも書きましたが、この文章は「少なくともあの方には刺さるだろうな」という気持ちもありつつ、読んだ人全員に刺さればいいなと思いながら書いたものです。自信はありましたが、やはり実際に反応をいただけるとなかなかどうしてうれしいもので、運営2氏が行っているインタビュー企画で、私の作品を挙げてくださる方がとても多いのです。「あ、良かった、ちゃんと刺せたんだ」ととても安堵しました。

 そんな中で、私の作品を「ラブレター」という言葉で説明している方がいて。私にその気持ちは全くなかったですし、そのワードが浮かんだこともなかったのですが、なんというか「見透かされた」気持ちになって、少しドキッとしました(ワードのせいかもしれませんが笑)。

 

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また、寄稿文の「1. はじめに」で私は美也Pであることを明記しました。

 

 

そして、これをあまり気持ちよく思わなかった方がいたという事実が、私にとっては新たな知見となりました。

 

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私にとってこれは「天海春香を大好きな人たちが集まっている、天海春香が詰まった同人誌に参加するにあたって、春香Pではない自分が参加することに対しての礼儀」でした。名刺代わりといった感じでしょうか。私はこの文章を、美也Pであることを明かさずに書くことはできませんでした。というのも、私の文章は「春香さんについては何一つ書いていない」文章なのです。なので、「これを書いたやつは誰だ。そうか美也Pか」みたいに思ってくれたらなという気持ちがありました。春香さんについて書いた文章なら、私はこういった「自身の立場の明示」はしなかったでしょう。

 

⑦今、思うこと

どうしてこの曲が選ばれたのか、どうしてCleaskyがこの曲を歌わせてもらえたのかっていうのが、歌詞に結構、所々こもってるので、ぜひ、一回ドラマパートを聞いた上で「笑って!」の歌詞を見直していただければ。

(ミリオンライブ6thツアー仙台公演Day1より、「笑って!」歌唱後の島原エレナ役・角元明日香さんのMC)

 

 私はこれに応えるために、あの文章を書いたんだなって思います。

 

 

 

 

 

 今回はここまで。次回後編では、天海春香学会誌の中で、私が「いいなー」と思った作品たちの感想を書いていけたらと思います。春香さんと美也の共通点の話もできれば。それでは、また次回お会いしましょう。